SXDB Forum / Disc Review

 







【Pat Metheny & Lyle Mays】As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls
Writer : na22          Date : 2008/05/19 00:02:02

今回はPat Metheny & Lyle MaysのAs Falls Wichita, So Falls Wichita Fallsです。
Jazzです。

1980年9月オスロのタレント・スタジオで録音。遡って1974年にPat MethenyとLyle Maysはカンサス州ウィチタの大学対抗ジャズ祭で初めて出会っている。Patはその頃Gary Burtonのバンドに属し、片やLyleはノース・テキサス州立大学から自身のカルテットを率いて来ていた。その後歌手Marlena Shawのツアーに二人は同行し意気投合し、このアルバムの4."It's For You"のオープニングのメロディ進行とコード進行を合作している。そんな本作は、ECMの規制を凌駕した、紛う事無き名盤である。

オリエンタルなハープ、空間にわななくシタール、多重録音を用いたギター。各々の音が渾然一体となり形成される1.As Falls Wichita, So Falls Wichita Fallsに込められたテーマは、ベトナム反戦。メッセージ性、音色、構成、その全てが名曲という冠を頂くに値する、奇跡の名曲。
続く2.Ozarkは、Lyleの超絶テクに裏打ちされた瑞々しいピアノに、Patが解放感溢れるギターを思い切り掻き鳴らす。解き放たれたPatのプレイには、自由が充満している。
3.September Fifteenth (dedicated to Bill Evans)は、タイトル通りBill Evansへと捧げられた鎮魂歌。悲痛なシンセと哀愁充ち溢れるアコギが儚げなイントロを紡ぎ、やがて中盤に差し掛かる頃、Patの奏でるアコギはブラジル風へと変容し、それにLyleのピアノも呼応し構築されていくメロディは、正に天上の調べ。NujabesのA Day By Atmosphere Supremeの元ネタとしても知られている名曲。
続く4."It's For You"は、前曲と打って変わっての爽快なナンバー。Nana Vasconcelosの突き抜けるようなブラジリアンなヴォイスも相俟って、雄大なサウンドスケープを描く。
ラストを飾る5.Esupenda Gracaは、LyleのピアノをバックにNanaが力強く歌う。その後Patのソロを挟み、再びNanaの歌声が透明感溢れる響き渡る。これ程までに、エンディングに相応しい曲はそうないだろう。

万斛の美意識に彩られた音色が構築する音世界は、万人の琴線を揺さ振る。時に暖かい包容力に溢れ、時に哀愁をそこここに放つ、その尋常ならざりし振幅は奇跡の楽曲を産み落とす。
これを聴かずして、何を聴くというのだろうか。
na22猛烈推薦盤。

- Reviewer na22 -

Detail
Artist Pat Metheny & Lyle Mays
Album As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls
Release 1980/09
Genre Jazz
Track
1 .As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls
1 .Ozark
1 .September Fifteenth
1 .It's for You
1 .Estupenda Graa

 iTunes Store(Japan)

 

« SXDB Home

Copyright © 2004 - 2012 Sampling eXhibition DataBase Project. All Rights Reserved.

Ver. 2.2.0